世界初・ガイドに求められる標準的な素養を定義した『ガイドスキルマップ』を策定 ~ガイドスキルマップを無償公開して利活用を促し、ガイド人材の育成やサービス品質の向上を推進~
一般社団法人インバウンドガイド協会(所在地:東京都文京区/会長:久保成人)は、ガイド人材の育成やサービス品質の向上を目的として、ガイドに求められる標準的な素養(スキルセット・行動基準)について定義した『ガイドスキルマップ』を策定しました。優れたガイドに共通して見られる行動特性を分析し、ガイドに求められる素養を5つの「領域」、計25個の「スキルセット」に整理したうえで、それぞれのスキルセットにおいて客観的に評価できるよう「行動基準(基礎項目・応用項目)」を定めています。当協会では、各地域における自治体や、ガイドに関連する企業・団体、個人におけるガイドスキルマップの利活用を促進して、広く普及することを目指すため、当協会のウェブサイトにて英語版・中国語版とともに無償で公開します。
『ガイドスキルマップ』トップページ:https://inbound-guide.org/project/skillmap/
(スキルセット・行動基準の例) ◆ Mindset – 多様性の尊重 旅行者や訪問する地域の住民等、様々な文化背景や考えを持つ者に配慮した言動が求められる。 [行動基準-基礎項目] ・自分と異なる文化背景・考え方を否定せず、尊重した行動を取ることができる ・マイノリティ(社会的少数派)に対し、尊重した行動を取ることができる
[行動基準-応用項目] ・他者に対して多様性の尊重を求めることができる
『ガイドスキルマップ』策定の背景と目的
当協会が2020年8月に刊行した『ガイド白書 2020』において、世界の主要8つの国・地域におけるガイドの資格制度について調査を行いました。そのなかで、日本国内だけではなく、海外においても、ガイドのサービス品質に関する基準が整備されておらず、UNWTO(国連世界観光機関)におけるガイドラインやISO(国際標準化機構)における規格にガイドが対応していないことが判明しました。規格基準を定義することは、サービスの品質を標準化することに繋がります。ガイドも他の産業と同様に、誰もが活用できる規格基準を整備することで、各地域におけるガイドサービスの品質が標準化され、旅行者はいかなる場所でも安心・安全かつ満足度の高いサービスを享受できるようになります。結果的に、ガイドの需要が拡大することに繋がり、ガイドの活動機会もあわせて増加することが期待されます。当協会では、ガイドを職業として、産業として、確立し、成長・成熟させていくためには、「品質の標準化」を推進することが重要であると考えています。
『ガイドスキルマップ』の活用
当協会では具体的に以下のような活用方法を想定しています。また、この他にも様々な活用方法が考えられ、それぞれの組織・団体において、状況に合わせて有効に活用されることを期待しています。 ・ガイドの人材育成における活用(育成方針の策定やカリキュラム検討) ・ガイドの評価における活用(ガイドへの適切なフィードバック) ・スキルチェックや学習計画における活用(自身の強みや強化すべき領域・スキルセットの把握)期待される効果
ガイドスキルマップがガイドの人材育成やサービスの品質向上において、様々な形で利活用され、広く普及することによって、以下のような効果がもたらされると考えています。 ・それぞれのガイドの強みや弱みが明確となり、スキルアップのモチベーション向上に繋がる ・育成方針やカリキュラムが体系立てて適切に策定され、ガイドの人材育成に関する取組みの実効性が向上する ・明確な基準に準拠した評価を行うことで、ガイドの能力や経験などの実態に即した適正な報酬を設定できる ・ガイドの特徴や強みを把握することで、旅行者のニーズに沿ったガイドの手配を行うことができるインバウンドガイド協会とは
2019年に設立し、ガイド人材の育成を通じ、訪日外国人旅行者の受入れ態勢整備と地域観光の振興による地方創生の実現に取り組んでいます。当協会は資格の有無や有償・無償を問わず、外国語を用いて海外の旅行者を案内するガイドを「インバウンドガイド」と呼称し、国内各地、特に地方部におけるガイドの人材育成やガイドサービスの品質向上に取り組んでいます。主な事業として書籍の出版・検定事業の他、自治体をはじめとする地域の主体と連携し「インバウンドガイド講座」を各地で開催しています。協会ウェブサイト:https://inbound-guide.org/
<本件に関するお問い合わせ>
一般社団法人 インバウンドガイド協会 事務局 担当:大谷(otomo株式会社)
[MAIL]press@inbound-guide.org
[TEL]03-6876-6003